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Song of his book.

人が紡ぎ上げた欠片達を窓の外から眺め続けた
ドアを作る事も出来なかった
それは幼い俺のプライド
 
 
 これはひとつの国のお話。
 彼は、ずっとひとりでした。
ずっとずっとひとりでした。
だって、それが当り前だったのです。
 
 
 
『隠し事をしてたんだ 傷つくのが嫌だった』
やっと築いた俺だけの世界は余りに空虚で満ちていました
 
ある日現れたおまえは俺が望む全てをくれた
俺が積み上げたレンガを容易く飛び越え触って気付いた
 
「悲しいくらい冷たいね ずっと寂しかったんだね」
怯えて 戻って 飾って 測って
焦って 乱れて 被って 逃げだした!
 
 
きみが紡ぎ上げた欠片達が折り重なるのを羨んでいた
孤独に作り上げた俺の城
ドアを閉ざした俺のプライド
 
 
 
 これ以上にないだろうと思えるほどの時間を手に入れた彼は
 これから先も続くだろうと思い違えていたのです。
 
 
 
『隠し事をしてたんだ いつかは聞いてくれるか?』
やっと現れたお城の住人
初めての愛に戸惑いました
 
「同情なんかはいらない お前にわかってたまるかよ」
握って 齧って 零して 崩れて
それでもあなたはまっすぐ歩んでた!
 
女王へ愛を捧げ一番大切を避け続けた
孤独に慣れ親しんだこの身が
日だまりで溶けるのを拒んでる
 
 
 だから猶の事、ふいに温もりに焦がれる
 自分が許せなかったのです。
 
 強がりは何世紀以上に渡り
 …それはあまりに残酷な時間でした。
 
 
『隠し事をしてたんだ あれが愛と知っていたんだ』
きみは雨の中へ消えてしまった
恐れた感情が込み上げました
 
(もうこれで終わりなんだ 隠す相手ももういなくなった)
残されたのは幻想だけ
初めて声を上げて吼えました
 
 
「扉を開いて
 縋って 握って 笑って 紡いで
 愛せばよかったのか…?」
 
 
残された温もりの影が
俺の孤独の城を守っている
自分で枷をはめたこの世界で
永久に俺の終わりを許さない
 
行き交う群衆に哀を馳せて
永久に涙を紡ぐ気はない
またおまえに会えるその日には
何百年もの感謝をやるよ


続きから、おまけ漫画があります。
落書きでちょっと汚いですが・・

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